犬は他の動物に比べて「賢い生き物」とされています。
しかし、その賢さゆえにストレスを感じやすく、その分繊細でもあります。
そのため、飼い主が知らないうちに愛犬にストレスを与えていることがあるかもしれません。
その時、犬のストレスがストレスサインという形で現れます。
この記事では、代表的なストレスサインとその原因、ストレス発散法をご紹介します。
犬のストレスサイン
犬のストレスサインはわかりやすく、異変を察知しやすいモノが多いです。
それではどのようなストレスサインが存在するでしょうか?
この項目では、犬の代表的なストレスサインを紹介します。
カーミングシグナル
カーミングシグナルとは、犬同士の不要な争いを避けるために生まれつき備わっているしぐさのことです。
相手から顔や体を背ける、あくびをする、地面のにおいをかぐといった行動がカーミングシグナルに当てはまります。
カーミングシグナルをすることで、不安や緊張、葛藤などといったマイナス面の感情を伝えられる効果があります。
威嚇などの問題行動
犬はカーミングシグナルをすることで飼い主に自分のストレスを伝えますが、それでも伝わらない場合があります。
その時、犬は以下のような問題行動を取る場合もあります。
①うなったり、歯を見せたりなどの威嚇行動
②吠えたりパニックになったりして逃げる
③口を開けてハァハァと激しい呼吸をする
体調不良や病気の症状
長期的、慢性的に犬にストレスがかかり続けると体調不良や発病のほか、無気力状態やうつのような症状が現れます。
もし愛犬が体調不良を起こしたら、すぐに動物病院へ連れていきましょう。
ストレスレベルが高いと、次のような症状が現れます。
①食欲が低下する
②下痢や嘔吐など消化管トラブルが出る
③元気がなく寝てばかりいる、活動レベルが下がる
犬の主なストレス
犬はストレスを感じやすい生き物です。
そのため、飼い主にとってはどのようなことでストレスを感じるかがわかりません。
犬が感じるストレスについて、この項目では心理的ストレスと身体的ストレスの2つの側面から考察していきます。
心理的ストレス
犬の心理的ストレスとして、引っ越しや新しい犬の登場などといった環境の変化や、飼い主とのコミュニケーション不足、長時間の留守番などが挙げられます。
ここからケースをいくつかご紹介します。
【ケース①】家族の不仲
飼い主たちが不仲になり、不満が犬へ向けられたり、一貫性のない愛情を向けられると犬はストレスを感じます。
また、飼い主同士のけんかの場合、犬はどちらが正しいかの判断ができないため、飼い主の怒りを読み取る能力や大きな罵声を鋭い感覚で感じ取って不安になってしまいます。
【ケース②】引っ越し
犬も人間同様、環境に慣れるまで不安と緊張状態が続きます。また、家族構成が変わる引越しの場合、犬のストレスはより増していきます。
例えば寒冷地から温暖地への引越しや、その逆として温暖地から寒冷地への引っ越しの場合、環境に慣れずに犬が体調を崩し、体調不良が犬にとってストレスになることも。
身体的ストレス
【ケース①】無理やりの散歩
人間にとってストレス解消になる散歩ですが、内向的で散歩が嫌いな犬の場合、散歩が犬にとってストレッサーになる場合があります。
特に子犬や老犬は無理に散歩させすぎると、足腰に負担がかかり、ヘルニアを発症したりけがをしたりすることも。
また、無理にリードを引っ張ると犬の心臓に影響を及ぼしたり、関節を痛めたりして体調が悪くなる傾向にあります。
【ケース②】過度の運動
運動が必要不可欠な犬ですが、過剰に運動しすぎると体に負担がかかってしまいます。
また、アドレナリンが出続けて興奮した状態が続いてしまうこともあります。
一方で激しい運動が原因で低血糖になってしまう犬がいるのも事実です。
犬の体力や年齢、足の状態をチェックしてから適度な運動をさせましょう。
犬のストレス解消をするには
ここまで犬のストレスサインやその原因について紹介してきました。
犬が繊細な生き物だということがお分かりいただけたでしょう。
では、犬のストレスをどのように発散するか、その代表的な例を見ていきましょう。
散歩をする
運動不足も犬にとってストレスの1つになる事柄です。
そこで、毎日散歩に連れていくことで、犬にとってストレス解消になります。
小型犬は1回15~30分程度の散歩を1日1~2回、中型犬は1回30~45分程度の散歩を1日1~2回、大型犬は1回1時間程度の散歩を1日2回を散歩の目安としましょう。
犬とのスキンシップを増やす
もし愛犬にカーミングシグナルが現れたら、それは飼い主とのコミュニケーション不足を意味します。
カーミングシグナルが愛犬に現れた場合、愛犬とのスキンシップを増やしてあげることで軽いストレスが解消できます。
たとえば、そばに行って撫でてあげたり、おもちゃを使って遊ぶだけで構いません。
それだけでも愛犬にとって、癒しの時間になるからです。
犬のフリースペースを作る
一方で犬にも1匹になりたい時間が存在します。
しかし、そんな時でも常に飼い主がいたらストレスが溜まります。
そのために、犬にも1匹でいられるスペースを作ってあげましょう。
犬は狭い隅っこを好む傾向にあります。
犬の大きさに合ったケージやサークル、もしくは愛犬お気に入りのクッションを部屋の隅っこにおいてあげるとよりベターです。
まとめ
犬は古来より人間とともにあり、古くは狩りから文明の発展とともに警察犬や麻薬探知犬として活躍し、最近はセラピードッグとして人間の心をいやしています。
しかし、犬を飼うならば今度は人間が犬のストレスに付き添って、心を癒していかなくてはいけません。
今回は犬がどのようにストレス反応を発するか、そしてその原因と解決法について紹介しました。
愛犬と楽しい生活を送る参考として、記事の内容を活かしていただければ幸いです。